「1分ごとに30%」は守れない約束
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Husktide はサバイバー系のゲームです。歩き回ると武器が勝手に撃ち、敵の群れはどんどん増え、レベルが上がるたびにアップグレードを1つ選びます。1回のプレイは30分を軸に作られていて、30:00 になると Harvester が現れます。完成したビルドでそこにたどり着くのが、ゲームが示す目標です。
最初の企画書には、敵の体力は1分ごとに30%、上限なしで増やす、と1行だけ書いてありました。計算してみるまでは、妥当な難易度カーブに聞こえます。
1分ごとに30%の本当の意味
1分ごとに30%の複利というのは、1分ごとに1.3を掛け続けることです。5分後には最初の体力の3.7倍。急ですが、まだ問題ありません。30分後には約2,600倍になります。
最初は2発で倒れる甲虫が、最後にはおよそ5,000発必要になります。そんな火力を出せるビルドはないので、どのプレイも後半は数学的に不可能で、ゲームが掲げる目標(30:00 到達)は絶対に達成できませんでした。こういうカーブは、ビルドに関係なく、何分目に死ぬかを決めているだけです。
いまのカーブ
最初の5分間は、いまも30%の複利で体力が増えます。ここはゲームが一気に盛り上がるべき区間で、プレイヤーのビルドも同じ速さで育っているからです。5分を過ぎると増え方は直線的になり、毎分、5分時点の値の62%ずつ足していきます。
30:00 の時点では、最初の体力の約61倍です。2,600倍ではありません。いまでも壁ではありますし、それは意図どおりですが、完成したビルドなら越えられる壁です。
全部の敵に同じカーブを使うとまずい理由
2つ目の問題はもっと見えにくいものでした。すべての敵に1本のカーブを当てると、雑魚の小さな敵が8分あたりで一撃では倒れなくなります。そしてその瞬間、このジャンルらしさが消えます。小さな敵のじゅうたんをなぎ払うのが楽しさの半分です。そのじゅうたんが1匹3発ずつ耐えるようになると、画面は敵で埋まり、プレイヤーは足止めされ、武器が弱くなったように感じます。
そこでいまは、敵の種類ごとに指数を持たせています。全体のカーブをどれだけ受けるかを決める数値です。雑魚はほとんど受けず、エリートはほぼ全部受けます。30:00 の時点で、レベルに連動する小さめのボーナスを除くと、次のようになります。
- Crawler は群れの中でいちばん小さい敵で、体力は7から約20になります。いまでもほとんど何を当てても倒れます。
- Razor Wasp は12から約68。
- Soldier Beetle は20から約260。
- Weaver Spider は52から約1,700。
- Hive Brute は130から7,000以上。
雑魚は雑魚のまま、エリートが壁になります。終盤は、押し寄せ続けるじゅうたんの中で壁を相手にすることになります。このジャンルの終盤は、本来そういうものです。
数字をごまかさないために
これらの値はすべて、ゲームファイルの先頭の1か所にまとめてあり、あちこちに散らばってはいません。プレイ時間、敵の上限数、増加率、5分での切り替え、直線部分の増加量が並んでいて、それぞれの値の理由をコメントで説明しています。カーブが十数か所に分かれていると、誰かがそのうち1つを変えたとき、20分目にゲームがどうなっているのか誰にも説明できなくなります。
バランス調整は、議論する前に測ります。ゲームループはコンソールから手動で1ステップずつ進められるので、時計を先送りして、任意の時点での敵の体力を、そこまで遊ばずに確認できます。
ほかのゲームにも言えること
1文で書ける難易度ルールは、1文で書けるからこそ魅力的で、複利の成長はいちばん書きやすいルールです。同時に、いちばん静かにゲームを壊しやすいルールでもあります。最初の5分(誰もがテストする部分)は、ちょうどいい手ごたえに感じられるからです。出す前に、プレイの最後まで掛け算をしてみてください。
Husktide を遊んで、自分のビルドで 30:00 にどこまで近づけるか試してみてください。
