ゲーム一覧へスキップ
Hadukis

ブログ

固定値の装甲と、その陰にある難易度の崖

· 約4分で読めます

Briarlight Defense は、夜の森が舞台のタワーディフェンスです。タワーは5種類でそれぞれに3つの強化ルート、ウェーブは30、道の終わりには Heart Tree(心の樹)があります。遊び心地を決めているのは、どのタワーよりも2つのルールです。この記事ではその2つと、そのうち1つが穏やかなナーフを壁に変えてしまった日のことを書きます。

ルール1:装甲は引き算

装甲の作り方には、よくあるものが2通りあります。割合なら、毎回のダメージから一定の割合を削ります。装甲30%なら、どの攻撃も70%しか通りません。固定値の引き算なら、毎回のダメージから決まった数を引きます。ただし1回の攻撃で最低1ポイントは入ります。

Briarlight は固定値のほうです。Bramble Brute(イバラの大男)は装甲6。Firefly Hive(ホタルの巣)は強化前だと、5ダメージの小さな弾を速いペースで撃ちます。Brute に対しては、その1発1発がちょうど1ダメージ。オオカミやクモを蹴散らすタワーが、それを止めるために作られた敵1体には、ほとんど何もできません。

これは狙ってやっています。割合の装甲なら、どのタワーも Brute に対して30%弱くなるだけで、どのタワーを建てるかは何も変わりません。固定値の装甲は、装甲を抜けるほど強く撃てるタワーと、そうでないタワーをはっきり分けます。さらに、ダメージの種類を1つだけ特別なものにします。毒による継続ダメージは、装甲を完全に無視します。 Brute に対処するなら Mushroom(キノコ)の胞子がいちばんの手で、それに気づいたプレイヤーは、数字ではなくゲームそのものについて何かを学んだことになります。

ルール2:状態異常とダメージの種類が組み合わさると、何かが起きる

反応はちょうど5つで、どれも1行で説明できます。

  • Storm(嵐):濡れた敵に雷が当たると、電撃がさらに3体へ飛びます。
  • Thornstrike(いばら打ち):根で縛られた敵に物理攻撃が当たると、ダメージが1.5倍になります。
  • Shatter(粉砕):凍った敵に魔法が当たると、氷が砕け、体力もごっそり削れます。
  • Toxic Bloom(毒の花):毒を受けた敵に炎が当たると、毒の雲が燃え上がり、周りのすべてにダメージを与えます。
  • Dazzle(目くらまし):ホタルは減速した敵を簡単に見つけます。

5つなら、1回のプレイの軸にできるだけの数があり、しかも偶然見つけられるくらいには少ない数です。攻略を読んで知るのではなく、数字が大きくなり、敵の頭上に言葉が出るのを見て気づくものです。

マップもコンボの一部

最初のマップ Whispering Woods(ささやきの森)では、小川が道を横切っています。そこを渡ったものは、すべて濡れて出てきます。つまり、ゲームでいちばん強い反応(濡れ+雷)を開くのは、タワーではなくマップの一部です。浅瀬の横に Spark ルートの Firefly Hive を置けば、電撃がカーブ全体に弧を描いて飛びます。

2つ目のマップ Moonwell Glade(月の泉の空き地)には、水がまったくありません。序盤のプレイを毎回支えていたビルドが通用しなくなり、プレイヤーはタワーの一覧を見直すことになります。何かを足すより、何かを取り除くほうが、安上がりで、しかもいい2つ目のマップになりました。

崖

ここで固定値の装甲が牙をむきました。後半のマップは同じ30ウェーブを使い回していて、最初のマップより難しくする必要があります。難しくするいちばん単純な方法は、全タワーを少しずつ弱くすることでした。

出す前に測りました。乱数シードを変えて12回、毎回同じ堅実な戦略でプレイさせました。

  • 全タワーのダメージを 95% にすると、12回すべてが30ウェーブを完走しました。
  • 92% にすると、12回中8回がウェーブ6で全滅しました。

ウェーブ6は、最初の装甲持ちの敵が出てくるところです。固定値の装甲では、全タワーのダメージを1割削ると、Brute の装甲を2ポイント上回っていた1発が、まったく上回らなくなることがあります。かろうじて通用していたタワーが、1発1ダメージになってしまうのです。たった3%のダメージが、公平なマップと、ほとんどのプレイヤーが越えられないマップの分かれ目でした。

さらに奇妙なことに、それより厳しい設定にすると、また「簡単に」なりました。敵が増えれば使えるエッセンスも増え、そのぶん建てたタワーが Brute を片づけてしまうのです。こんな動き方をする難易度のつまみは、調整のしようがありません。つまずくことしかできません。

そこで難しいマップでは、なめらかに効く3つのつまみを使っています。ウェーブごとの敵の数を増やすこと、すべての敵の体力を増やすこと(装甲の計算に触れずに、倒すまでの時間だけを延ばせます)、エッセンスを減らすこと(プレイ全体で建てられるタワーが減ります)。これらも最初の8ウェーブをかけて少しずつ効いてくるので、どのマップも調整したときと同じペースで始まり、ウェーブ6の壁は元の位置のままです。いまゲームに入っている数値は6番目に試したセットです。どのセットも、全マップで複数のシードを使ってプレイを最後まで回し、堅実なプレイヤーがどこまで進んだかを出力するスクリプトで選びました。

ほかのゲームにも言えること

固定値の装甲のようなルールに価値があるのは、はっきりした境目ができるからです。このタワーはこの敵に効く、あのタワーは効かない。ただ、その境目があるせいで、近くでの小さな変更は小さく済みません。こういうルールのあるゲームでは、バランスの変更は平均値から考えるのではなく、実際にゲームを回して確かめてください。

Briarlight Defense を遊ぶ。浅瀬の横で Spark ルートを試してみてください。